【書評】『 使える脳の鍛え方』| 直感を疑え。
どうも。シャオです。
今回は『使える脳の鍛え方』の内容の中で、筆者がとくに印象に残ったところを掻い摘んで紹介していきます。
今記事は『進化する勉強法』でも触れた、
- 「集中学習」と「分散学習」
- テストして内容を「思い出す」
について、さらに掘り下げた内容となっています。
結論を述べると、テストまでを含めた一連の学習は、学習者にとって「つらい」体験なほど記憶に深く定着します。
試験を控えている方や、スキル習得を目指している方にとって有益な情報になれば幸いです。
想起練習の重要性
本著『使える脳の鍛え方』では、テストして内容を思い出すことなどを「想起練習」といいます。
例を挙げればフラッシュカードやクイズ形式にして復習することですね。
そして本著でも『進化する勉強法』と同じように学習の間隔を空けて、少し忘れかけた頃に「分散学習」を行うとより深く記憶に定着すると書かれています。
テキストの再読をするなどの「集中学習」は効果は得られにくいので推奨されていません。
「分散学習」の最適化
そして「分散学習」の方法を難しくすると尚記憶に定着します。
例を挙げていきます。
「交互練習」
ほかの科目をいくつか挟む、「交互練習」も合わせて行う。
「生成練習」
答えを教えられるまえに問題を解こうとする。
プレッシャーにも強くなるので本番にも強くなりますね。
複雑な手掛かり
思い出す(想起練習)方法を難しくすると、自分にとって強い記憶になると本著に書かれています。
- メモ(テキスト)を手掛かりにする場合は、キレイな文字よりも”汚い”文字の方が記憶の定着に役立つ
- 学習の間隔を可能な限り長くする。
などです。
ただし学習の間隔については、期間を空けすぎて”思い出せない”内容にしてはいけません。
内容を忘れないうちに「想起練習」をすることが重要です。
また、手掛かりは自分の好きなドラマなどに紐付けるといった、感情を揺さぶる手法は効果的だと書かれています。
知っているという錯覚
『バカと無知―人間、この不都合な生きもの―』の記事でも触れましたが、学習者においても”知らないことを知らない”人がいます。
例えば、文章に慣れてすらすら読めるようになると、
「知っている」
「できる」
「習得できた」
と錯覚に陥る人が多いです。
それを判断するためにも定期的なテスト(想起練習)をすることが重要です。
しかし効果的でない学習方法を選ぶ学生ほど、自分の習熟度を高く見積もり、誤った自信を持つ結果、認識を改めようとはしません。
常に謙虚な姿勢で、主観的な見方だけでなく、他人の客観的な”ものさし”を借りるなどして、現状に見合った判断、行動が必要ですね。
まとめ、読了後
最後に、あなたの学習の「目的」はなんですか?
本著では”成果”を目標にするのではなく、“学習自体”を目標にすることを推奨しています。
成果を目標にすると、能力の証明が目的なので、成果の出にくい、難しいことに次第に挑戦しなくなるからです。
しかし学習自体が目的の場合は、新しい技術の習得や、自己成長が目的なので、進んで難しいことに挑戦し続けるようになります。
難しいことに挑戦し続ける=意義のある学習を続けることは大変ですが、学習には自制心、決意、粘り強さが大切です。
「練習を習慣にする能力は誰でも高められる」と本著に書かれています。
難しい問題に直面して、諦めて挑戦しないよりも、挑戦して間違ってもいい。
その行動自体が、記憶の定着に役立ちます。
しかし本能=直感に従うやり方は、時として楽な方に流されてしまいます。
結果に結びつくのは、日々の努力=つらい経験なのかもしれません。
いかがでしたでしょうか?
『進化する勉強法』の記事が好評なので、また学習方法の記事を書かせていただきました。
今記事は抜粋ですので、本著の詳しい内容が気になる方は是非ご一読ください。
それでは、また。