お問い合わせ

【書評】『逆説の日本史〜古代黎明編〜』| つながる神話と歴史

どうも。シャオです。

今回は井沢元彦先生の『逆説の日本史〜古代黎明編〜』を拝読いたしました。

コミック版なので、すらすら読めるのでおすすめです(筆者は面白すぎて続けて原本も読んでしまいました。。)

大国主の「国譲り」

学校教育で多くの人は、このように教わったのではないだろうか。

高天原(たかまがはら)に住んでいた天照大神(以下、アマテラス)は大国主(以下、オオクニヌシ)に、

「葦原中国(あしはらのなかつくに)を自分の孫の瓊瓊杵尊(ニニギノミコト)に治めさせてやりたいから国を譲ってほしい。」

オオクニヌシはそれに対して、

「わかりました。その代わりに私の住む大きな立派な家(出雲大社)を建ててください。」

以上が、所謂”通説”の日本史(日本神話)だ。

本当にそうだろうか?違和感を感じないだろうか?

つまるところ、

「かわいい孫に素敵なプレゼントをするために日本が必要です。あなたは出ていってください。

と言っているだけだ。

これに対して、どんなに立派でも”家1つ(出雲大社)”で納得できるだろうか?

否、納得できるわけがない。

「ふざけるな!!!!」

というのが寧ろ当然の反応であろう。

オオクニヌシは現在の北陸、長野周辺から関西一帯までを治めていたとされているので尚更だ。

実際はなにがあったのだろうか?

井沢先生曰く、実際には無理やり奪われただけ。

オオクニヌシはアマテラスに戦争に負けたのである。

出雲大社は、アマテラス側がオオクニヌシが”怨霊になって祟りを起こさないようにするため”に作った建物。

オオクニヌシが欲したのではない。

「邪馬台国」「卑弥呼」とは?

筆者も大好きな中国「三国志」の魏の史書『魏志倭人伝』に記されていたことから日本に存在していたとされる「邪馬台国」とその女王「卑弥呼」

これに対しても少し注視すれば気がつく違和感がある。

自分の国、名前に悪い意味を持つ漢字を使うだろうか?

昔から中国(漢民族)ではモンゴルを「”蒙”古」、国内の別民族のことを四”夷”(東”夷”(トウイ)、西”戎”(セイジュウ)、北”狄”(ホクテキ)、南”蛮”(ナンバン))と異民族に蔑称をつけていたので「”邪”馬台国」「”卑”弥呼」も中国側が当てた漢字で日本側が当てた漢字ではない。

「邪馬台国」=「ヤマタイコク」?

そして「邪馬台国」の読み方である。「ヤマタイコク」という読み方が一般的だがこちらはどうだろうか?

少し話はそれるが現在の中国の国家主席「習近平」

日本では「シュウキンペイ」

だが、グローバルな読み方は「シージンピン」

昔の中国と日本の読み方が違っていても何ら不思議ではない。

当時の中国では「邪馬台」を「ヤマ”ドゥ”」又は「ヤマ”トゥ”」と読んだという。

このことから井沢先生は「邪馬台国」=「ヤマトゥ国」

つまり「ヤマトゥ国(邪馬台国)」は「大和国」=「大和朝廷」と結論づけた。

「卑弥呼」は「名前」?

現代社会、身内の人間を他人に紹介する時、どうするだろうか?

妻、乃至は妻の〜

部長、部長の〜

と「役職」で呼ぶ、少なくとも枕詞につくのではないのであろうか?

昔から「名前」ではなく「役職」を呼んで紹介していても何ら不思議ではない。

そして”日”ノ本の国、日本。

日本の古来からの宗教、神道。その社、神社に仕える”巫女”

これらのことから井沢先生は「卑弥呼」とは名前ではなく「”日”ノ”巫女”」

つまり役職であったとされる。

つながる神話と歴史

これまでオオクニヌシと「邪馬台国」「卑弥呼」を用いて『逆説の日本史〜古代黎明編〜』の内容を紹介してきました。

筆者がこの本を読んで”一番”良かったことは神話と歴史がつながったことかなぁと感じています。

オオクニヌシについては言わずもがなですが、「邪馬台国」「卑弥呼」についても一般的には所在地や歴史との繋がりが不明なところが多く、言ってみれば神話のようなモノでした。

それが読了後に一連の歴史の流れになり、自分の中での歴史観として腑に落とすことができました。

この投稿の内容では本の一部のみの紹介しかできなかったので気になった方は是非!読んでみてください。

続編も機会があれば、読了後感想、書評を投稿いたしますね。

それでは、また。